株式会社ワールドレジデンシャル
技術監理部技術監理課
影山 麗
初めて池上を訪れた時、自転車で通り過ぎるおじいちゃんの姿を見て「ゆっくりと時間が過ぎる町」と言うイメージがうかびました。
静かで落ち着いた街で住みやすそうだなあと感じたのが第一印象です。その印象をモチーフに閑静な街並みに溶け込みつつ、存在感のある建物をつくろうと思いました。
計画地は地形の良い整形地で、すぐに建物のイメージを思い描くことができました。
全体としては、程よい広さ、収納の充実など暮らす人たちの住みやすさを重視。エントランスは柔らかな曲線の壁と車寄せなどで、物件の顔となるようにしつらえて迎賓の空間としました。さらに、全て平置き式のサイクルポートや全戸の防災備蓄倉庫を設置して使い勝手にも配慮しました。また落ち着いた街並みに馴染む色合いになるように工夫しました。
計画から設計、積算、施工現場の仕事までできたレジデンシャル池上は、すごく面白くてやりがいがありました。
関係者向けの竣工お披露目会において「今までのレジデンシャルシリーズで一番好き」という声を耳にしました。レジデンシャル池上で心がけてきた「流行にとらわれずに、暮らす人の住みやすさを重視」した努力が報われたのかなと誇りに思っています。
池上は中世まで、荏原郡の千束郷に属し、池上村と呼ばれていました。江戸時代、徳川家康が池上村の東南の地域を本門寺に寄進し、その門前町である池上村も将軍ゆかりの土地として栄えました。
往時の洗足池(千束池)は広大で上池上の下辺りまであったので村名にしたという『新編武蔵風土記』の記事に対して、『池上町史』では池を領した藤原祐忠が、池上を姓として高台に住んだことから村名は起きたとしています。